七五三が喪中と重なっても年賀状は出していい?写真を入れるのはNG?

子供の七五三のお祝いは、お参りの手配や写真スタジオの予約など、親の準備は大変ですが、とてもワクワクするものでもありますね。

せっかくの七五三ですから、かわいい盛りの写真を残しておきたいと思うのが親心。撮った写真を年賀状に入れて、わが子の晴れ姿を皆に披露したいという人も多いです。

ですが、七五三の報告を兼ねた年賀状を出そうとした同じ年に、自分や相手の喪中が重なってしまった場合は、どうするのが一般的なのでしょうか。

「せっかく写真を撮ったんだから、遠くの友人知人に年賀状で知らせたい」と思う人も多いですよね。詳しく見ていきましょう。

親族の喪中に年賀状は出せる?出せない?

自分の親族に不幸があった場合、年賀状を控えるのはどこまでの間柄なのでしょうか?

例えば結婚して独立した世帯を構えている場合でも、親兄弟が亡くなったのであれば一般的に年賀状は控えることが多いですね。

ですが別世帯の曾祖父母・祖父母に不幸があったときは、孫世代は特に年賀状を控える必要はないとされています。

ただ、地域の慣習や亡くなった方に対する思い入れが強い場合には慶事を控えることもありますから、曾祖父母・祖父母が亡くなった場合の年賀状に関しては家庭によってそれぞれだと言えますね。

おすまいの地域・地方の慣習や、配偶者の実家の方針なども関係してきますので、まずは両親や年配の親族に確認してみると良いでしょう。

我が家にも、地元を離れた友人から「実家の祖父(祖母)が亡くなったため新年の挨拶を控えます」という喪中ハガキが届いたことがあります。

また、親族への年賀状は控えるが、自分の友達や会社関係には年賀状を出すという人も多いようです。

七五三の写真で年賀状を注文し、後から親族の喪中と重なった場合は?

七五三の写真といえば、写真スタジオに予約を入れて年内11月ごろまでに撮影をし、翌年の年賀状に使うのが一般的ですよね。

写真撮影と同時に年賀状の印刷注文も済ませていて、それ以降に身内に不幸があった場合、注文キャンセルが間に合わないことも考えられます。

そのような場合は、どうすればいいのでしょうか?

せっかくの七五三のお祝いですし、年賀状は年に1度の挨拶状ですから、この機会を生かして我が子の成長した姿をお披露目したいと思うのが親心ですよね。

また、遠方に住んでいてなかなか会えない親族や友人知人に子供の成長を報告する、年に1度の楽しみでもあります。

それに現実的な問題として、お金をかけて印刷した年賀状をボツにするなんてもったいないと思ってしまいます。

私の周りでは、別居の曽祖父母・祖父母に不幸があった場合は、孫世代は喪中でも年賀状を出しても構わないという意見が多いようです。

特に、既に年賀状の印刷注文をした後に不幸があった場合は、忌中(亡くなって49日以内)でなければ問題ない・仕方ないとも考えられています。

もちろん、亡くなったとき既に年賀状を郵便局へ差し出してしまっていれば間に合いませんので、そこは割り切ってしまいましょう。時期的に間に合わなかったことは相手も分かってくれるはずです。

ただし、こちらが「孫世代だから大丈夫」と思って年賀状を出しても、受け取る側が「不謹慎だ」と考える場合もあるでしょう。こればかりは、相手の考え方や慣習によるので正解がありません。

個人の考え方や家庭・地域の慣習は十人十色ですから、どうしても批判を避けたい場合は、もったいないですが年賀状を控えることも選択肢に入れてみてください。

そもそも喪中って?

そもそも、ここで私たちが気にしている「喪中」とは何でしょう?

実は喪中というのは、仏教上の決まりではないのです。さらに神道の決まりでもありません。
では、その起源は何でしょうか?

親族が亡くなった時に喪に服す(祝い事を避け、故人を偲んで暮らす)という行為は、日本に限らず世界中で昔から見られる慣習です。日本でも奈良時代にはすでに服喪の慣習があったようです。

現在の日本で一般的に考えられている「1年間の喪中」は、明治7年に出された「太政官布告〔だいじょうかんふこく〕」という法律で定められていました。

この法令は昭和22年に撤廃されましたが、その考え方は弔事の慣習として根強く残り、家庭や地域によって受け継がれています。

喪中に年賀状を控える風習は、戦後の印刷会社が編み出した

喪中を理由に年賀状を控える人は、年越し前に喪中はがきを出す場合も多いですね。身内に不幸があっても、何らかの挨拶をしたいという気持ちは根強いものです。

この風習は、古くは平安時代以前から「新年挨拶の書状」として日本人が連綿と続けてきた挨拶文化といえます。

葉書の形の「年賀状」はいつごろ始まったの?

一般に年賀状の起源は、明治初めの郵便制度の発足、あるいは昭和24年のお年玉付き年賀葉書の発行に始まると考える人が多いようです。

出典:郵政研究所付属資料館「年賀状の歴史と話題」

このように、年賀状という一枚のはがきで新年の挨拶を郵送するようになったのは明治以降です。

「喪中はがき」は、戦後にうまれた新常識

昭和30年代、とある印刷屋さんが「大切な人を亡くした悲しみで、とても新年を祝う気持ちになれない」という人々の心理と、既に根付いていた年賀状をうまく利用して「喪中はがき」なるものを発明しました。

彼は1年の服喪期間には「喪中はがき」(年賀欠礼挨拶状)で年賀状を出せない旨を事前にお詫びするという新常識を打ち出し、新たな印刷需要を掘り起こしたのです。

お菓子メーカーの販売戦略と同じ類のものだったのですね。消費者心理を巧みについてきます。

皆さんもよく知る、これらのイベントがそうです。

  • クリスマス ⇒ ケーキ
  • バレンタインデー ⇒ チョコレート

ウナギの販売促進のために「土用の丑の日にウナギを食べる」という習慣をつくった、平賀源内ひらがげんないを思い出させる印刷屋さんのエピソードでした。

年賀状を出したい相手が喪中だった場合は?

自分の親族に不幸があった場合は、自分の考えで対応を決めてよいと思いますが、年賀状を出したいと思う相手のお宅が喪中・忌中の場合は、もちろん配慮が必要です。

こちらが知らなかった場合は仕方ありませんが、特に相手の子供さんや若い方にご不幸があった場合には、子供の写真入りの年賀状を出すことは遠慮したほうが良いでしょう。

まとめ

ここまでご紹介したように、喪中に年賀状を控える考え方は比較的最近うまれた慣習です。

七五三と親族の喪中が重なった場合でも、年賀状を出すか出さないかは、自分の気持ち次第で自由に解釈すればよいのではないかと私自身は考えています。

私に孫ができたとして、万一、孫の七五三祝いが私の両親(孫の曾祖父母)の喪中と重なった場合でも、年賀状には七五三の晴れ姿の写真を入れて差し出すよう迷わず勧めます。

我が子、我が孫でなくとも、親族や親しい友人でなくとも、どの子に対しても、健やかな成長を心から願う、温かな気持ちを持ちたいものです。